玉柏 純米(日本酒・岐阜県)
蔵元やまだ「玉柏」純米
1.8L、2,571円(税込)
岐阜県加茂郡八百津町、木曽川の本流が近くに流れる場所にある蔵元の純米酒。
酒販店の商品説明のポップに「ロックでも旨い」などと書かれていた「玉柏」に目が止まる。
「玉柏」、失礼ながら聞いたことがなかったが、興味が湧いて衝動買い。
取扱い商品に信頼ある酒屋なので、味は大丈夫でしょう、ということでいつも通り、晩飯とともにいただく。
上立ち香はうっすらとメロンと、わずかな酸を感じとることができる。澄明な色とその香り、期待させてくれます。
口に含むと予想通り、旨い。
香りはどことなくメロンのようだったが、味自体はしっかりとした米の甘味を実感させてくれる。その甘味はほぼ同時に訪れる爽やかな酸味によってバランスよく混ざり合い、喉越しにはほんの少しの渋みを残す。渋みに余韻があまりないので食中酒でもいけるし、このままダラダラと飲み続けることもできる。うむむ、危険な酒だ。
奇をてらわず、バランスを考え、飲み飽きない酒を目指す・・・まじめな取り組みが、その味から伝わってくる。
当然ぬる燗でも飲んでみる。
甘味は少し抑え気味になり、その分酸味が際立つ。そして燗の旨い味わいである「苦み」がぐっと増して、所謂「端麗」的な風味を押し出してきた。料理をしっかり引き立てる味わい。なるほど、これもいける。
雨に濡れて、ラベルがよれてしまった(涙
蔵元のサイトには、杜氏が今までの酒造りに関わってきた素直な思い、そして今現在の取り組みが記されている。『謙虚に臆病に酒造りに携わっていきたい』『自分のカを知るため、ひとりよがりの酒造りにならないため』という“脱個性”的な言葉が心に残る。
「大胆」ではなく「臆病」。ここ最近、大胆な味わいの酒に魅せられたりもしているが、これも日本酒の人気を支えていくうえでの、強いこだわりなのであろう。
謙虚で真摯な姿勢がまさに反映された日本酒。大当たりの一本だった。
で・・・
ロックのことはすっかり忘れて終了してしまいました・・・残念。