津島屋 外伝 純米酒 父なるライン おりがらみ(日本酒・岐阜県)
御代桜醸造「津島屋 外伝 純米酒 父なるライン おりがらみ(der Vater Rhein) 2015 summer」
720ml、1,200円(税込1,296円)
ワイン酵母で仕込んだ「父なるライン」。一度呑んでみたかった1本。
店内には2種類の父なるラインがある。ひとつはおりがらみ。滓がたっぷり、発酵中。
キンっと冷やした状態のものを、キンっと冷えた室内で頂く幸せ。
楽しみだなぁ、なんてすっかり気を抜いて開栓すると・・・
ポーン!!!!
ああああっ、びっくりした!
蓋が目の前をかすんで天井に当たり、隣の部屋にまで転がっていった。いやぁ〜、瓶内二次発酵オソロシヤ。
一旦落ち着きグラスに注ぐと、滓で白濁した液体の中から炭酸ガスがピチピチと弾けている。これはますます期待が高まる。
開栓注意、と書いてあるではないか・・・
上立ち香はリンゴのようだが、ほとんど感じられない程度。もっとフルーティな香りをイメージしていたのだがそうではなかった。あれ?っと思い一口含むと、何が何が、ビックリする程甘酸っぱい!そして、発酵からなる炭酸のプチプチシュワシュワ感もかなり強め。何ともジューシーで爽やかな一口に、声を出して笑ってしまった。完璧にスパークリングワインの域に達している。呑み進んでいくと微かな苦みを感じ、日本酒の残像らしきものもあるが、旨く味わえない。炭酸感がたまらず、爽快感を求めてゴクゴクっと呑んでしまうからだ。なんとも、夏だなぁ。
度数は11、日本酒をガッツリ飲むには甘酸っぱさや低アルコールからして、もはや違う部類と考えた方がいいが、アペリティフとしては確かにピッタリ、夏バテのカラダに食欲を取り戻す、とてもいい感じの酒だった。
そういえば、夏バージョンは目で見ても涼しげな感じのカラーラベルになった。どこの川を描いているのかは分からないが、蔵のある美濃加茂近くには木曽川の急流があり、ヨーロッパのライン川に似ていることから「日本ライン」と呼ばれている。ドイツの白ワイン酵母を使うこの酒にとって、そのネーミングは至極当然なのであろう。ちなみに日本ラインは、昔よくCMも流れており、東海地方に住んでいる者にとってなじみある名前だ。