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泥酔デザイナーの酒と山の日々

家呑みデフォ、酒と山の記録を坦々と。最近は放置気味です・・・

ロ万 純米吟醸 無濾過一回火入れ(日本酒・福島県)

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花泉酒造「ロ万 純米吟醸 無濾過一回火入れ」
720ml、税込1,471円

 

土・日の夕飯の担当となって3年以上。事の発端は旨い酒を旨く飲むため、旨い肴は嫁に頼らず自分で作ろうと思ったから。たぶん元々料理がキライではなく、それ以前にも週末よく作っていたせいもあり、今もずっと続いているのだろう。また時を同じくして「Cookpad」なるサイトを知り、これが自分だけでなく周りのオヤジどもにも好評で、これさえあれば嫁さんと別れても生きていけると、本気だか冗談だかの話で盛り上がったりしている。

とまあ、どうでもいい話なのだが、
(全てがどうでもいい話か・・・)

 

土曜日の本日、嫁も息子も娘もバラバラに出かけていて夕飯は自分一人。

これがたまらなく嬉しい。

どこかで済ませてきてもいいのだが、こんな時こそ自分だけのための肴を用意し、好きな映画を用意し、自分の時間にどっぷりと浸る喜びを味わえる貴重な夜を楽しみたい。

 

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冷蔵庫から出した酒は少し前に購入していた「ロ万 純米吟醸」。

映画はもう少し後、食事等その他全てを準備し思いっきりくつろぎ、いっぱい注ぐ。

グラスからはカプロン酸エチルだろうか、華やかなリンゴの香りがフワッと香る。キレイな酸を期待させる香り。

含んでみると、少し相反するが、非常にふくよかでコクがある。程よい酸と程よい苦み。ほんの少しピリリっと口中を刺激し、スッーと収まるところに収まり後味スッキリ。旨味、甘味、酸味、苦味が高いラインで調和を醸し出している。旨い。ずいぶんと優等生な味わいだなぁ。今日はぐっと冷やして夏らしい味わいでいただいているが、ぜったい燗でも旨いんだろう、と思いながらもそのまま飲み続ける。

ラベルを見ると地元福島の米、水、人、酵母にこだわり、さらに仕込みにもこだわりと、強い意志の感じられる表記を載せていていて、読む方も楽しい。

業として “伝統の「もち米四段仕込み」” とあるが、花泉酒造は全銘柄でこれを行っているそうだ。後から調べたのだが、もち米自体は戦中・戦後の、米の少ない時代には多くの蔵で使われていたのだが、蒸すとくっついたりで扱いが大変で、さらに戦後の「淡麗辛口」ブームにより、複雑な味わいになるもち米をやめる蔵が増え、今は非常に少ないらしい。

この蔵の場合は三段仕込みの後、蒸したもち米を熱いまま仕込む方法なので、上記とはもち米の使い方が違うのであろうが、この一手間かけたこだわりが、ふくよか且つキレの良さを醸し出しているんだろう。へぇ〜、である。

 

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ちょっと呑んで食って、映画を観るべくとテレビのスイッチを入れる。と、テレビではその日に行われている「秋田大曲全国花火競技会」が映し出されていた。全国の花火師たちが技を競い合い、渾身の作品を宙に描かせている。まさに花火師の「ロマン」だ。これがまた格好の肴となってしまい、結局映画も忘れてずっと見入ってしまった。パッと咲いて、スッと散る。なんとなく旨い酒と似ているんだなぁ、花火は。

なんてことを思いつつノスタルジックで美しい大輪を眺め、ひとり夏の終わりを感じながら、ゆっくりと口万をいただいた。