菊鷹 純米 火入れ酒 Hummingbird(日本酒・愛知県)
藤市酒造「菊鷹 純米 火入れ酒 Hummingbird」
1.8L、2,600円(税込2,808円)
菊鷹は以前「比翼」を頂いたが、山廃とは思えぬ柔らかな味わいに感動を覚えた1本だった。
このハミングバードともうひとつ「菊花雪」と名付けられた純米無濾過生原酒以外の菊鷹はすべて山廃仕込みの様だ。
上立ち香はどことなくラムネに近い香りだろうか、爽やかで柔らかさを感じる。
次に含むと、一瞬ネクターのような濃厚な甘さがジワーッと広がり、後を追って酸がじっくりと押し寄せる。甘さと酸味のギャップが大きく感じとれる味わい。引き際には繊細な苦味が全体を包み込み、濃厚な味わいの酒をを見事に食中酒まで持って行った。
含んだ瞬間のファーストインパクトとは異なる味わいで収束していったが、良くまとまっていてメッチャ旨い。
濃いのに柔らかくて優しい。好きだなぁ自分は。淡麗好きにはちょっとダメかなぁ・・・などと考えながらクイクイと呷る。
しかし、何でハミングバード(ハチドリ)なんだろう。菊鷹にはサブネームがどれもついていて、鳥に絡んだ意味を持っているみたいだ(すべてではないのかもしれない)。ちなみに「比翼」は極楽鳥の別名らしい。なにか杜氏の思いが込められているのだろうが・・・凡人の域を出ない自分にはなかなか難解である。こんなところにも、モノ作りとしてのこだわりがあるんだろうなぁ。
酵母は「金沢酵母」。酸が少ない淡麗タイプらしいが、そんな印象を感じない酸の旨い酒だった。
ただ2日目以降は酸味も甘味も落ち着き、ハリやキレが前面に出てきた。これもまた旨かった。