泥酔デザイナーの酒と山の日々

家呑みデフォ、酒と山の記録を坦々と。最近は放置気味です・・・

伊予賀儀屋 無濾過 純米吟醸 黒ラベル(日本酒・愛媛県)

f:id:kazzyan:20150918155540j:plain

成龍酒造「伊予賀儀屋 無濾過 純米吟醸 黒ラベル
720ml、1,375円(税込1,485円)


1877年創業という、およそ140の歴史ある蔵、成龍(せいりょう)酒造。
水は石鎚山を源とした伏流水を、米は50%まで磨いた愛媛県産「松山三井」、酵母は愛媛酵母EK-1をベースとしているのか、「自家製酵母」としか分からなかった。が、オール地元で醸された1本。

f:id:kazzyan:20150918155625j:plain

グラスからは一発でカプロン酸とわかるリンゴの吟醸香。ある程度冷やしているのにもかかわらず、しっかりとした香りに期待大。

含んで口の中でまわしてみると何とも円やか、酸は綺麗で淡麗的な味わい。何とも清々しい。そのうちに口の中がキュッとなったかと思うと、辛味が鼻からフワッと抜けて、後味は少しの甘味を残しつつ収束する。全体には軽やかな味わいなのに、しっかりと米を感じられる仕上がりに。

一口、二口呑むうちに、急に煮物が食べたくなった。薄味の筑前煮なんかと合わせたら旨いだろうなあ、と言うことで飲み続けたくなるのを強い意志で断ち切り、明日までとっておく。明日はこの酒で煮物を食うのだ。絶対食うのだ。
(で冷蔵庫から別の酒類を取り出し、そのまま酒宴は続く。)

f:id:kazzyan:20150918155825j:plain

愛媛県内の多くの蔵で使われているのが愛媛酵母EK-1。全国新酒鑑評会で金賞を獲得するのに用いられる実力派で、主に大吟醸を中心に使われるのだが、60%以上の精米歩合では香りが出にくいことや、製造管理が難しい酵母でもある、と言うこと。

この黒ラベルは50%精米なのでまさにもってこいなのだが、最近は改良を重ねたEK-3やEK-7を使った蔵も出てきて、愛媛酵母にも幅が広がってきているようだ。

f:id:kazzyan:20150918160024j:plain