泥酔デザイナーの酒と山の日々

家呑みデフォ、酒と山の記録を坦々と。最近は放置気味です・・・

島々谷から徳本峠越え、霞沢岳へ。

シルバーウィークの9月19〜21日、以前から一度歩いてみたかった古の街道へ出かけた。

連休は人が多くて、最近はちょっと避けていた上高地方面だったが、思った以上に静かな山歩きが出来て満足の2泊3日だった。

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島々谷からの徳本峠越えは、今から80年以上前の1933年、バス道が開通する前までの上高地に入るメインルートで、かのウォルター・ウェストンも通った古の道。今回は徳本峠で1泊、翌日「霞沢岳」に登りその後上高地方面に向かい、徳沢園にある「徳沢キャンプ場」でもう1泊して下山という、比較的緩い山行を計画した。

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朝6時頃、車で徳本峠入口近くの広場に駐車。野生動物が多くいそうな林道を、熊鈴を鳴らしながら歩くこと1時間20分、林道が終わり、ようやく登山道らしくなる。

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道はなだらか、登山道脇は島々谷川が流れている。沢の音を聞きながら、整備された道を黙々と歩く。それにしても本当に歩きやすい。キツイ段差がほとんど無いのだ。それもそのはず、上高地へ行くバス道が出来る前はここがメインルートで、さらに昔は普通の生活道路として使われていた道。上高地が牛や馬の放牧場だったころ、この道を家畜とともに歩かねばならず、それなりに整備された道だった。

今は「釜トンネル」から上高地に入るルートがメインになったためひっそりとしているが、鎌倉時代から続く歴史ある道は今もしっかりと守られ、このような物好きなオッサンにも感動を提供してくれている。

 

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13:20、出発から6時間ほどで徳本峠に到着。徳本峠小屋で受付を済ませテントを張る。連休初日とあってか、幕営スペースはそこそこ空いていた。5連休とあって、1日置いて山へ入る登山者が多いようだった。

ただ18時頃には溢れんばかりのテントの華・・・小屋も満室だったらしい。

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翌日、4時前に起きる。この日は霞沢岳から徳沢へ下りるのだが、霞沢岳は地図のCTでは往復7時間以上、さらに徳沢まではここから2時間40分、合計10時間近くかかるらしい。ここで2泊する人もいるが、なんとしてでも徳沢で泊まりたい、という思いで5時に出発。周囲はまだ暗いのでヘッデンを灯し、念のため熊鈴を鳴らしながらオタオタと登りはじめる。

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しばらく歩くと周囲は薄明るくなり、長く続く樹林帯から時折覗かせる景色に目を見張る。南側に目を向けると雲海に浮かんだ美しい姿の乗鞍岳。当たり前だが、どの山々も眺める場所が違えば印象が変わり、毎回新しい感動がある。

 

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そのうち高度を上げると同時に青空もくっきり広がると、色づきはじめた草木が陽に当たり、美しい山々の周辺を演出してくれる。K1ピークに着く頃には、ダイナミックな穂高連峰が目の前に迫り来る。岩稜の陰影がなんとも迫力満点。まさに穂高の展望台たるにふさわしい山。

そのK1ピークから先は展望のいい稜線を詰めていき、K2ピーク、そして霞沢岳山頂(2,645.6m)に登頂を果たす。

どこからでも見える北アのランドマーク・槍ヶ岳がちょうど見えないことも珍しい。が、岳沢を中央に置く、この穂高はいつまで見ても飽きない角度。西穂から奥穂へ続くハードな稜線もよく見える。臆病なので眺めるだけで腹一杯、いつかは・・・なんてこたぁ思いません。

いつまでも眺めていたいのだが、予定が・・・と言うことで後ろ髪を引かれる思いで下山、徳本峠に着いたのは12時半頃。戻ってみるとテン場がちょっとごった返していた。撤収待ちなのだ。あまり待たせておくのも可哀想なので昼食もそこそこにテントを撤収、13時20分ごろ上高地方面へ下り、徳沢へと向かう。

 

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それなりのスピードで歩き、徳沢園に着いたのは14時50分頃。条件のいい幕営スペースも確保。徳沢はどこに張っても大概平らで、しかも芝生の上なのでフカフカ。昔ここは放牧地で、その名残りなのだ。

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徳沢園で見つけた地酒。亀田屋酒造店は上高地一帯で販売展開をしており、五千尺ホテルの地酒コーナーで販売員さんが接客しているアレである。

飲んだ感想は・・・別の更新時に載せます。

 

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快適な芝生の上での幕営、寝心地も良く翌日はスッキリと6時半起床。のんびりと撤収し徳沢を後に。まずは明神館、その後明神橋を渡り、嘉門次小屋、穂高神社奥宮を訪ねた後、河童橋に。バスターミナルから新島々行きバスに乗り込み「安曇支所前」で下車、ちょっと歩いて車を回収し18時過ぎに帰宅、数日分の汗を風呂でスッキリと流し、今年のシルバーウィーク山行を終了。大満足の3日間、やっぱり山は天気次第だねぇとつくづく思う。

徳本峠での皆さん、徳沢園での皆さん、ありがとうございました。

次のシルバーウィークは、なんと11年後。その時の年齢は・・・・・・想像したくありません。

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