泥酔デザイナーの酒と山の日々

家呑みデフォ、酒と山の記録を坦々と。最近は放置気味です・・・

妙高山〈カップ〉(日本酒・新潟県)

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妙高酒造「妙高山
180ml 、210円(税込)

以前「山カップ」として紹介した中の一つ。

新潟県南西部に聳え、百名山にも選定された妙高山はその広い裾野から「越後富士」とも呼ばれ、、登山愛好家なら当然一度は登ってみたいと思わせる名山。名古屋からだとちょっと遠いのでまだ訪れてはないが、近い将来登ってみたいと思っている。

その妙高山から30kmほど北に蔵をかまえている妙高酒造。

創業1815年と、200年の歴史がある蔵の酒を、晩飯のざる蕎麦とともに頂く。

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上立ち香は「米」を感じさせるふくよかさに混じって、葉物野菜清々しさがある。

含むとなめらかな舌触りの上を酸味と辛味がすぐに現れ、口の中をギュッとしめる。そのまま喉に通すと、その辛味が喉奥をジンジンと刺激して最後まで甘味を感じさせずに収束していった。いかにも新潟の辛口酒、といった感じ。

そこにワサビたっぷりのざる蕎麦をいただく。ワサビの辛味が口いっぱいに広がる中に妙高山を押し込むと辛味同士が妥協もせずに喧嘩状態。

辛いっ!なんとも辛い!口の中が妙高喧嘩祭りと化した。
(そんな祭りはありませんが・・・)

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深田久弥の「日本百名山」には妙高山のことを、

その均整の取れた山容の気品と言い、ドッシリと安定した量感と言い、のびやかな裾野の雄大さと言い、名山としての名に恥じない。

と書かれている。


清酒妙高山」にもそんな表現があてはまる。甘さなど感じない。さらりとはしているが力強さ、ぶれない安定感を感じることができる酒。

だからこそ地元の人に愛され、200年も続いて来たのであろう。そして新潟の寒い土地柄を考えて造られた酒であり、絶対に燗上がりするだろうと思わせる味わい深い1本だった。