泥酔デザイナーの酒と山の日々

家呑みデフォ、酒と山の記録を坦々と。最近は放置気味です・・・

農産酒蔵 純米(日本酒・岡山県)

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丸本酒造「農産酒蔵 純米」
720ml、1,229円(税込1,327円)


以前、同蔵の「かもみどり 純米」をいただき、なかなかのコストパフォーマンスに感動させてもらった。

その購入店の近くを通り、ちょっと覗いてみると「農産酒蔵」なる酒が。

かもみどりを呑んだ時に、「いつか全量自家栽培の『農産酒蔵』を目指している、という野望を当主は持っているらしい。」云々と書いたが、もうあったではないか、などと思いながら気がつくとご購入。瓶に付いていたラベルには「濃淳辛口」とある。

同じ蔵でもどんな違いが味わえるのか、期待しながら数日後に開栓する。

 

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あまり主張はしないが、米本来のフルーティーな上立ち香がグラスから上がる。含んだ瞬間、やはり米の味をふんだんに感じる甘味と酸味と苦味がほぼ同時に現れ、いっきに辛味を帯びる。ひるまず喉に押しやると尾を引く苦みがしばらく口中を占拠する。これはなかなかの食中酒。米の厚みをしっかり主張しながら食も引き立たせる。

やっぱりこの手の酒は燗、さっそくぬる燗でいただくとこれがまたキリリと引き締まり、さらに米の存在感が増す。当然辛さもグッと増し、喉の奥をいたずらっぽく刺激する。「濃淳辛口」、ラベルに偽りなし。アルコール度数は16度なので比較的飲みやすいが、その刺激ゆえ思わず「ク〜」っと言いたくなる。言わないが。

 

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使用米は「山田錦」と「あけぼの」だが、かもみどりが山田錦20%に対してこちらは50%というところが、重厚さの感じ方の差なのだろうか。もちろん醸し方で日本酒度を+4.5度まで上げている点も、昔ながらの「古風」な酒が好きな輩に向き合って造っているんだなと関心してしまう。

「古風」な酒は飲み飽きない。華やかな酒を飲み、ふとまたここに戻る、そんなことを思いながら楽しんでいただいた。