泥酔デザイナーの酒と山の日々

家呑みデフォ、酒と山の記録を坦々と。最近は放置気味です・・・

ほしいずみ 別注 夢吟香 純米吟醸 No.9(日本酒・愛知県)

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丸一酒造「ほしいずみ 別注 夢吟香 純米吟醸 (No.9)」
720ml、1,500円(税込1,620円)

 

帰社の途中に立ち寄った酒販店にて。今日は何がいいか聞かれたので「酸が効いて、香りがそれほど立たない方がいいものを」と伝えると、これを薦めていただいた。酒米「夢吟香(ゆめぎんが)」を使ったほしいずみの純米吟醸を特別に造って貰ったという酒。No.7、No.9と表記された2本のほしいずみが並んでおり、まずはこれを試して欲しい、と言われNo.9のラベルを薦められた。

店主によると、吟醸香はあるが、華やかなカプロン酸エチルではなく穏やかな酢酸イソアミル系なのだそうだ。酵母が変われば主要成分も変わる・・・なんか小難しくなってきたが、これも酒飲みの知識のひとつとして知っておいたほうがいい・・・のか?

といっても呑む時には専門的な知識もへったくれもない。旨さを期待していつものようにいただく。

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香りは穏やか・・・と聞いていたのだが、パイナップルのような華やかな香りをしっかりと感じる。確かに浮き立つような感じではないので好ましい香りなのだが、カプロン酸エチルのように感じてしまう。だからどうだ、というワケではないが・・・香りの判断は相変わらず難しい。素人はあまり多くを語るとボロがすぐ出る。

含むと、まず酸が前面でしっかりと主張。やはりリンゴのような旨みある酸だ。この旨みたっぷりの酸が口の中を駆け回り、ゆっくりと苦み走る。喉越しを味わう瞬間、苦みの奥でモッタリとした米由来の甘味が顔を出して収束。こりゃ旨い。よくまとまっていて、和食にバッチリと合う。燗でもイケルと聞いたのだが、気分的にこのまま冷やでダラダラといただいた。

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「夢吟香」は愛知県の「若水」と「山田錦」を交配させて出来た新しい酒米で、県の酒造組合や経済連が普及拡大に取り組んでいる期待の星。ふくよかで香り豊か吟醸酒に向く酒米だとか。

今回は別注で協会9号酵母を使い醸造しているらしい。9号酵母は酸味が少なく高い吟醸香を出すことが特徴とあるが、今回のほしいずみは香りもさることながら、酸がしっかり乗っていた様に感じた。

ちなみに冒頭「2本並んでいた」と書いた1本は「No.7」、いわゆる7号酵母使用のほしいずみ。こちらの方が吟醸香も若干穏やかかと思いきや、店主によると結構ふくよかな香りを醸すらしい。

そんな話を聞くと気になってきたNo.7。他の蔵の酒も呑みたいが、品切れになる前に買いに行こうか・・・悩ましい限りだ。