泥酔デザイナーの酒と山の日々

家呑みデフォ、酒と山の記録を坦々と。最近は放置気味です・・・

七本鎗 純米吟醸酒(日本酒・滋賀県)

GW後半、ヨメと二人で長浜の「黒壁スクエア」まで遊びに出かけました。

 

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ヨメです。ウソです。

 

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これです。

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ガラス館の前にて。


・・・写真、これ以上撮ってません。

黒壁スクエアに到着してすぐ、ちょっとした酒屋があったので覗いてみると「七本鎗」がズラリと並んでいるではないか。

これと、滋賀の郷土料理「鮒寿司」で一杯・・・てなことをずーっと考えて歩いていたら、写真も疎かになりました。


改めて・・・

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冨田酒造「七本鎗 純米吟醸酒
720ml、1,600円(税込1,728円)


当然鮒寿司も買って帰る。

470年以上続く冨田酒造。小さいが地元に根付いた蔵で、様々な文化人の交流も数多くあった。その中に「北大路魯山人」もおり、この酒のラベルの文字は、魯山人が書いた(扁額に彫った)ものを用いている、という事。


で、歴史好きならだいたい知っている話なんだろうが、

蔵のすぐ近くには戦国時代における合戦の舞台のひとつで、この戦いで勝利した秀吉が天下人になる足がかりとなった地「賤ヶ岳」(しずがたけ)がある。この時、秀吉に貢献した七人衆が、後に「賎ケ岳の七本槍」と呼ばれるようになった。

魯山人はこの「槍」を「鎗」に変え篆刻したことから、ラベルも「鎗」と使っている。

ちなみに、今期の大河ドラマ真田丸」にてちょうど今「七本槍」の面々が登場中。(加藤清正は九州に飛ばされたが・・・)

タイムリーな一本、という事で、いただきます。

 

純米吟醸ながらそれほど主張しない上立ち香。パイン系・・・いや、何となくソフビ人形系か。

肴はさておき、一口すする。

酸は感じるが、重めの酸。酸が重いとは変な表現か。流行りの踊るような酸とは違う、腰を据えた酸と表現すればよいのか。若干遅れて甘さが広がる。こちらは軽やかな印象。重さと軽やかさが相まって、深みのある味わい。深いのに、喉に落とすとスッと消え、僅かな苦味がキュッと喉元を締める。おお、旨い。こりゃ結構な食中酒だろう。

酒の輪郭をしっかり堪能した後、ここで鮒寿司の登場。地元同士のタッグマッチ、合わないワケがないではないか。

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開封に失敗、きたない絵面。

 

が・・・

鮒寿司の、あまりにも強烈過ぎる濃厚な酸っぱさに、七本鎗が霞んでしまったではないか! 恐るべし鮒寿司


気を取り直して、今度は燗でいただく。

含んだ瞬間、重めの酸は華やかさを増した。膨らんだ酸の、その間を縫うかのように旨味がジワ〜っと全体を支配、最後の辛味は2割増し程度でキレよく収束。先程の鮒寿司を流し込んでみると、今度は堂々と渡り合うではないか。結構フトコロ深い酒だなぁ、これは。

この後、適当な肴で呑むも(この日のメインはなぜかホワイト餃子)、どんな料理にもビクともしない食中酒の姿を披露してくれた。

 

まさに、賎ケ岳の七本槍のような力強さなのだ。(ちょっと無理がある?)

 

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