黒松仙醸 こんな夜に 鹿 特別純米(日本酒・長野県)
仙醸「黒松仙醸 こんな夜に 鹿 特別純米 火入れ・生 中取り・無濾過」
1.8L 2,500円(税込2,700円)
名古屋から南アルプス(甲斐駒・仙丈)や八ヶ岳辺りを登りに行けば、途中やたら目にする野立て看板「黒松仙醸」。伊那の地酒である。
パック酒や焼酎も製造している地元に根付いた蔵のようで、近くを通るたび気にはなっていたのだが、下山後は疲れていたりするせいもありそのまま素通りしてしまっていた。
が、最近この限定流通酒の存在をどなた様かのブログで知り、そのラベルにメチャクチャ興味が沸いていたところに、訪れた名古屋の某酒販店で取り扱いを始めていたのでビックリ、即購入。
特別純米は鹿を描いたラベルだが、他に雷鳥、山女魚、山椒魚等々、酒類によって自然に住まう生き物のイラストに分けられている。(純大吟はなぜか満月)
南アや中アに囲まれた山間の街、伊那ならではのラベル。山や沢をやっているモノには身近に感じなんとも嬉しい。沢はやりませんが・・・
裏ラベルには「柑橘系の香りとジューシーな酸味」と謳っているものの、感じ取ったのはバナナの様なイソアミル系。脳内でも柑橘系に変換できず。だがはっきりと分かりやすいいい香り。
そのまま一口。甘ウマ!キュッとくる甘さ。ジューシーな酸味、というよりジューシーな甘味。含んだ時から酸は甘味の裏方で作業中。コクとシビレを楽しませてくれた辺りから、ようやく酸のジューシーさが前面に登場。なんともいい味わい。
山では迷惑な鹿だが、出会って嬉しい鹿もいるんだなぁ、なんて。
燗もいけそうな感じだが・・・その気になれないくらい暑さに参っているので、今回はやめときます。
米は長野県産ひとごこち100%、酵母は協会1501号。1501はカプロン酸エチルの非常に高い芳香を出す酵母。
やっぱり、自分の鼻がおかしいのか。う〜ん・・・
あざくら りんごちゃん 純米生原酒(日本酒・秋田県)
阿櫻酒造「あざくら りんごちゃん 純米生原酒」
720ml、1,250円(税込1,350円)
亀ノ尾と同時購入したりんごちゃん。
リンゴ酸量が酸の多くを占めカプロン酸エチルを高生産するという秋田酵母 No.77で醸したこのお酒、加水ナシの12度生原酒。アペリティフ的に呑むべきかと思い、食事前に頂く。
そんなもの呑まなくても、いつでも食欲増進中なのだが。
フワッと立ち上るカプロン酸の香りを期待していたのだが、ちょっと冷やして頂いたせいか、随分と香り穏やか。味わいも同様で、果実のような輪郭の酸なのだが思ったよりも優しめ。
低アルという事も相まって喉元を通った時の渋みや苦み、辛味もほとんどなく、すっと消えていく感じ。日本酒として出されなければ、なにかシードル系の飲み物かと勘違いしそうな味わい。洋風な食事でもバッチリいける感じ。クリームチーズなんかと合わせても良さそう。旨かった。
阿櫻酒造の企画モンのようなジャケなのだが、仕込み23BYから出荷されている、ちゃんとした限定流通酒だった。結構な人気もあるという事は呑んで納得、スッキリした味わいなので、夏の贈り物にけっこう喜ばれるかも。